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吉本 政弘; 原田 寛之; 岡部 晃大; 金正 倫計
Proceedings of 4th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2015) (Internet), p.575 - 579, 2016/01
J-PARC RCSにおいて、ビームのコア部からハロー部までを含めた横方向のプロファイルについて3NBTラインに設置したワイヤー型ビームスクレーパと複数台のビーム損失検出器を用いて測定している。我々のビームハロー測定器の最終目的は、横方向のプロファイルに加えてRCSから取り出された2個のバンチビームに対して時間方向のビームハロー構造を測定することである。そのために応答時間に優れたプラスチックシンチレータと光電子増倍管の組み合わせをビーム損失検出器に採用した。しかしこのビーム損失検出器では、ワイヤーからの放射線だけでなく、他の装置や壁などから放出される放射線まで検出していることが分かった。そのため、我々は鉛ガラスを用いたシンチレーション光型ビーム損失検出器や石英やUVアクリルを用いたチェレンコフ光型ビーム損失検出器の開発を試みた。本発表ではビームハロー測定系の概要と供に、新しいビーム損失検出器の概念や実験結果について発表する。
吉本 政弘; 原田 寛之; 發知 英明; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 金正 倫計
Proceedings of 6th International Particle Accelerator Conference (IPAC '15) (Internet), p.944 - 946, 2015/06
J-PARCリニアックのビームエネルギー及びビーム電流のアップグレード完了を受けて、RCSにおける設計ビーム強度1MWのビーム調整を開始した。1MWビーム出力運転を実現するためには、リニアックからの入射ビーム調整が重要な項目の一つである。リニアックビームの縦方向エミッタンスを調整を目的とし、RCSに入射した直後に縦方向トモグラフィー法を用いて入射ビームの運動量広がりを計測した。我々が開発した縦方向トモグラフィー法のツールは、CBP法を用いたシンプルなアルゴリズムが特徴で、元々はRCSビーム蓄積モード用に開発したものである。今回、我々は加速モードでも使えるように改良を行った。リニアックのデバンチャー2のタンクレベルを調整することで、運動量広がりが0.06%から0.15%まで変化することが測定でき、分布形状の変化もシミュレーションとよく一致することが確認できた。
西谷 健夫
放射線, 31(2), p.97 - 104, 2005/04
トカマクを中心とするプラズマの磁場閉じ込めの研究では、核融合の科学的実証を目指して研究が進められており、すでに米国のTFTRとEUのJETではDTプラズマ実験が実施された。また現在国際熱核融合実験炉ITERの設計が国際協力で進められており、まさにその建設が決まろうとしている。核反応を伴わないプラズマの診断では、プラズマから放出される電磁波や中性粒子が主な測定対象になっていたが、DD反応やDT反応などの核反応を伴うプラズマでは、中性子,粒子を初めとする高速荷電粒子,線といった放射線が大量に放出され、それらの計測はプラズマ診断の大きな手段になってきている。ここではITERにおける核燃焼プラズマの計測を中心に放射線を用いたプラズマ診断について紹介する。
栗原 研一
日本原子力学会誌, 47(3), p.200 - 207, 2005/03
日本原子力学会誌の連載講座「よくわかる核融合炉のしくみ」の第4章「核融合炉の状態を診断し、最適に制御するシステム」として、トカマク型核融合炉を想定したプラズマ制御システムの解説を、以下の8つの観点から行っている。(1)プラズマ計測制御はおおよそどこまで来たか?,(2)プラズマの制御と閉じ込め性能の関係はどうなっているのか?(3)プラズマ計測と制御の密接な関係は?,(4)力学的平衡状態のプラズマ制御はどんなものか?,(5)プラズマ形状や電流分布をどう知りどう操るのか?,(6)密度制御,核融合反応率(中性子発生率)制御、などの方法は?,(7)異常時のプラズマ停止制御や不安定性回避制御の技術レベルは?,(8)計測制御システムはどう作るか?
林 直樹; 廣木 成治; 木代 純逸*; 照山 雄三*; 豊川 良治; 荒川 大*; Lee, S.*; 三浦 孝子*; 外山 毅*
Proceedings of 2005 Particle Accelerator Conference (PAC '05) (CD-ROM), p.299 - 301, 2005/00
J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)ラピッドサイクリングシンクロトロンのためのビーム診断システムの開発を報告する。システムは、ビーム位置モニター(BPM),ビーム損失モニター(BLM),電流モニター(DCCT, SCT, MCT, FCT, WCM),チューンメーターシステム,324MHz-BPM,プロファイルモニター,ハローモニターからなる。BPMの電極は、静電タイプで、信号処理回路は、COD測定も、1周ごとの測定も可能となるようデザインした。5つのビーム電流モニターは、異なった時定数を持ち、全体で幅広い周波数帯域をカバーする。チューンメーターは、RFKOと信号ピックアップ電極で構成される。2種類のプロファイルモニターは、低強度のチューニングのためのマルチワイヤーモニターと非破壊の残留ガスモニターがある。
小川 宏明; 山内 有二*; 都筑 和泰; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 河西 敏; 草間 義紀; 山口 薫*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.678 - 682, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.26(Materials Science, Multidisciplinary)JFT-2Mでは原型炉の構造材として有力視されている低放射化フェライト鋼(F82H)を段階的に真空容器内に設置して高性能プラズマとの適合性を試験する「先進材料プラズマ適合性試験」を実施している。フェライト鋼はその化学的特性(錆びやすい)から酸素不純物の増加が懸念されている。また、重水素保持特性に関してはこれまで十分なデータの蓄積がない。そこで、フェライト鋼を真空容器内壁の20%に設置した場合と全面に設置した場合の不純物挙動を分光診断で測定した。その結果、真空容器内壁全面に設置した場合であっても、プラズマが直接相互作用をしない位置に設置した場合では、不純物放出が大きな問題とならないことを示す結果を得た。また、フェライト鋼の重水素保持特性では、重水素はおもに酸化層に吸蔵され、機械研摩等により酸化層を除去した状態では、構造材として広く用いられているSUS-316Lと同様であることを示す結果を得た。
富澤 哲男; 木代 純逸; 廣木 文雄; 佐藤 進; 五十嵐 前衛*; Lee, S.*; 濁川 和幸*; 外山 毅*
Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.165 - 167, 2004/08
J-PARCではビーム診断系のビームモニター製作を進めている。この論文では、SDTL部ビーム位置モニターの現状を記述する。ストリップライン型モニターのインピーダンスは、筐体と電極の形状により調整する。4枚のストリップラインを用いたビーム位置モニターは、すでに中間輸送系(MEBT)で調整を行っている。幾つかのビーム状態におけるビーム位置測定の予備試験の結果も報告する。
北澤 真一; 山本 春也
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28(4), p.1133 - 1136, 2003/12
減圧酸素雰囲気下のTi及びTiOターゲットに高出力パルスレーザー光を照射し、発生した蒸気を堆積させて単結晶TiO薄膜を作製する(パルスレーザー蒸着法)。このときに発生する(Ti蒸気の)プラズマ柱の可視領域の発光を分光解析し、プラズマ柱の構成分子がTiO単結晶膜の結晶構造に与える影響を調べた。その結果、発生するプラズマ内には、TiばかりでなくTiOが含まれていることがわかった。ターゲットがTiの場合には酸素の分圧に比例してTiOが増加したが、ターゲットがTiOの場合には、比例関係が失われた。得られたTiO単結晶膜のX線解析を行って結晶構造を調べた結果、その結晶構造とTiO分子数との間には関係があることがわかった。
富澤 哲男; 木代 純逸; 五十嵐 前衛*; Lee, S.*; 廣木 文雄
Proceedings of 28th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.428 - 430, 2003/08
J-PARCリニアックで扱う大強度陽子ビームを安全に加速するためには、ビーム損失をいかに抑えられるかが重要なファクターであり、高品質ビームの発生や正確なビーム輸送とともに、ビーム診断系の役割が大切である。このビーム診断系に用いられるビームモニターには、目的に応じ電流モニター,位相モニター,ビーム位置モニター,プロファイルモニター,ビームサイズモニター,スクリーンモニター及びビーム損失モニターなどがあり、これらのビームモニターの現状における種類,配置及びデータ処理について報告する。
森 浩一*; 関根 紀夫*; 佐藤 斉*; 鹿野 直人*; 島雄 大介*; 塩飽 秀啓; 兵藤 一行*; 岡 寛*
Japanese Journal of Medical Physics, 22(1), p.13 - 19, 2002/03
一般的な臨床では、X線波動の振幅の変化によるX線透過強度の違いを、画像コントラストとして表す「吸収コントラスト法」により、人内部構造を観察する。一方、放射光の高輝度性、平行性を利用することで、X線波動の位相変化または位置に対する位相変化を画像コントラストとして表す「屈折コントラスト法」にて内部構造を観察することができる。今回、乾燥人骨と小動物下肢骨を用い骨構造の観察を行った。実験はSPring-8医学利用ビームラインBL20B2にて行った。撮影条件として、照射エネルギーと、試料と検出器(X線フィルム)間距離を変化させた。その結果、中エネルギー領域では骨梁構造が、高エネルギー領域では骨辺縁部構造の描画能が高いことがわかった。また、小動物下肢骨撮影においては、従来法では確認が困難であった緻密質に及ぶ骨折が観察できた。屈折コントラスト法は、吸収コントラスト法に比べ微細構造の描写能が高いことがわかった。臨床に応用すれば、従来法より低い線量でより情報量の多い画像が得られることがわかった。
金盛 正至
JNC TN8440 2001-023, 110 Pages, 2001/12
保安管理部は、労働安全衛生関連業務、危機管理業務、警備・入構管理業務、所に係る核物質防護・保障措置・核物質輸送及び品質保証業務等、多岐にわたる業務を所掌している。これらの業務を総括するとともに業務データの活用等を目的に、業務実績に係る報告書を四半期報として保安管理部が発足した平成13年度から作成している。本報告は、平成13年度第2四半期(平成13年7月平成13年9月)の業務実績をとりまとめたものである。
河西 敏; 中山 尚英*; 石塚 悦男
JAERI-Tech 2001-082, 23 Pages, 2001/12
改良型jB磁場計測センサーを設計,製作した。その基本構造は、以前開発したセンサーと同じであるが、使用したロードセル(ロードセルとセンサービームから構成)とセンシングコイルの材質には、中性子照射に耐えるものを採用した。センサー出力の温度によるドリフトを少なくするため、電気的特性,幾何学的大きさが同じ歪ゲージ2枚を一組として、センサービームの表と裏にアルミナ溶射により張り付けてロードセルを製作した。この4枚の歪ゲージがホイートストンブリッジを構成するように接続して温度による出力のドリフト低減をはかった。特性試験の結果、以下のことがわかった。jB磁場計測センサーに使用するロードセル出力の零ドリフトを以前開発したものに比べ、約1/20に減らすことができた。ロードセル出力の温度依存性は小さいが、荷重に対するロードセル出力及びセンサー感度は非直線性を示した。jB磁場計測センサー感度の最小2乗フィッティングラインからのずれは、高磁場側で7%以下であった。センサーの中性子照射試験からは,中性子照射量が1.82.810n/mのとき、感度は高磁場側では約30%減少することがわかった。照射中も感度に非直線性が観測された。
森林 健悟; 周藤 佳子*; Zhidkov, A. G.; 佐々木 明; 香川 貴司*
Laser and Particle Beams, 19(4), p.643 - 646, 2001/10
被引用回数:6 パーセンタイル:30.53(Physics, Applied)高強度レーザー照射で生成した多価イオンが固体と衝突すると中空原子になる。この中空原子から発生するX線に関して考察する。原子課程シミュレーションからこの中空原子は超高速(1fs程度)に生成され、X線への変換効率は非常に高い(一つのイオンが固体に衝突したとき約0.03個のX線が発生する。)ことが明らかとなった。このX線発生過程を用いた高密度プラズマのイオン数の温度の診断法及び、X線源の実験系を提案した。数keVのX線領域では従来のX線源はレーザー強度がある程度大きくするとX線量は飽和してしまい、レーザー強度の増加に対して一定あるいは、減少するようになる。一方、中空原子から発生するX線はレーザーのエネルギーとともに増加するので、高強度レーザー開発の発展に伴ってX線量が増加することが予測される。レーザーエネルギーが10Jのとき、X線の個数は310個であることが見積もれた。
鍋島 邦彦
JAERI 1342, 119 Pages, 2001/03
本研究は、ニューラルネットワークに過去の正常な運転データを学習させることによって原子炉のモデル化を行い、原子力プラントの異常診断に利用する手法について検討したものである。もし、異常な運転パターンがネットワークに入力された場合には、各プラント変数のネットワーク推定値は測定値と大きく異なってくるはずである。したがって、その偏差を監視することにより、原子力プラント内の微少な異常兆候を検知することが可能になる。まず、さまざまな異常事象を容易に模擬できるPWRプラントシミュレータを利用して、フィードフォワードニューラルネットワークとリカレントニューラルネットワークの異常検知性能の評価を行った。適応学習法を取り入れたフィードフォワードニューラルネットワーク及びフィードバック結合を持つリカレントニューラルネットワークは、プラント動特性や緩やかな状態の変化にモデルを追従させることが可能で、しかも定常運転時だけでなく過渡運転時に発生した異常事象についても、従来の監視システムよりもはるかに早い段階で検知できた。次に、フィードフォワードニューラルネットワークによる異常監視システムを、実際の原子力発電所(PWR)に適用した結果を示した。1年間にわたるオフライン及びオンライン監視の結果、ニューラルネットワークが従来の監視システムや運転員が気づかないようないくつかの微小な異常事象を検知できた。さらに、ニューラルネットワークを用いた感度解析を行い、ニューラルネットワークが適切にプラントをモデル化できていることが証明された。最後に、ニューラルネットワークによる異常検知手法にエキスパートシステムを組み合わせた、高温ガス炉用ハイブリッド監視システムの開発について述べた。リカレントネットワークを採用することにより、比較的ゆっくりした動特性をもつ高温ガスのモデル化が可能になることがシミュレーション結果から明らかになった。
花島 進
JAERI-Conf 2000-019, P. 109, 2001/02
原研タンデム加速器の負イオン入射ラインで入射ビームの位相空間分布を測定する装置の基本設計を行った。この装置は、ビームの光軸に垂直な2つの方向の位置と傾き、計4つの次元の空間での密度分布を測定する。装置は上流から2つの偏向器、コリメータ、粒子検出器を配置し、2つの偏向器でビームの1区画をコリメータの軸上に移し、粒子検出器でその流量を測る。その場所を適互走査して、ビームの位相空間での分布を測る。偏向器は、ワイヤー電極と分圧抵抗によるシュラウド型偏向器を考案した。これは1つの偏向器で、2つの平行平板偏向器を合わせた役を果たせるため、装置空間を節約できる。シュラウド型偏向器の原理は、静電4重極レンズなどにも応用が効く。
森 浩一*; 鹿野 直人*; 塩飽 秀啓; 佐藤 斉*; 関根 紀夫*; 佐藤 勝*; 兵藤 一行*; 安藤 正海*
コニカX-レイ写真研究, 51(3), p.101 - 105, 2000/05
実用的な人体X線写真撮影法は、X線が被写体を透過した後におけるX線振動の振幅変化を画像のコントラストとして表す。つまりX線吸収コントラスト画像法である。X線の発見以来、X線発生装置やフィルム及び撮影装置は飛躍的な進歩を遂げているが、撮影原理自体は100余年前と変わらない。これに対し、X線が被写体を通過するときに起こるX線屈折率の変化に伴うX線波動の位相変化を画像のコントラストとして表す方法を、われわれは放射光を利用することで開発し、人骨に応用した。撮影試料として人体手部乾燥骨を用いた。人為的に微小骨折を作りX線撮影を行った。撮影はSPring-8にて行った。従来の方法で(X線吸収コントラスト法)では微小骨折は全く描写されてないが、X線位相コントラスト法では鮮明に描写できた。また、骨折像のみならず、骨質の変化や骨梁の構造も描写できることがわかった。新しい診断方法として大いに期待できる。
門馬 義雄*; 山崎 政義*; 永江 勇二; 加藤 章一; 長谷部 慎一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-044, 22 Pages, 2000/03
高速炉プラントの新構造材料および寿命診断技術の開発では、従来強度評価の補強資料として定性的理解のみに用いられてきた材料組織の微視的観察結果とその分析データを定量的に把握し、組織変化が材料特性におよぼす効果あるいは相関性を評価する手法の確立が必要である。特に炉心構造健全性を保証するために、溶接継手部における高温長時間強度特性と組織変化の関係を明らかにする技術開発のニーズが高い。このため、高速炉容器の溶接金属について、クリープによる組織の経時変化を定量化する技術に取り組んだ。本研究では、まず高速炉容器用に開発された316FR鋼を母材として、16Cr-8Ni-2Moおよび共金系(18Cr-12Ni-Mo)の溶接金属のクリープ試験を823および873Kで行い、37,000hまでのクリープ破断データを取得することにより、そのクリープ特性を明らかにした。さらにクリープ破断した試験片平行部の組織観察を行い、析出物の面積を定量化し、その経時変化とクリープ損傷の対応についての検討を行った。溶接金属のクリープ強度は高応力短時間側で16Cr-8Ni-2Mo系が共金系よりも小さいが、低応力長時間側では16Cr-8Ni-2Mo系と共金系のクリープ強度が同等になる傾向がみられた。また、クリープ破断延性は16Cr-8Ni-2Moの方が共金系よりも優れていることがわかった。さらに、溶接金属の823Kでの低応力長時間および873Kではフェライト中に析出した相界面に発生する割れがクリープ破壊の起点となることを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量はいずれの温度時間においても共金系溶接金属よりも少ない。析出物の変化はマグネゲージで測定した残留フェライト量の変化と良く対応しており、フェライト量が時間の経過と共に減少するのに伴い、析出量は増加することを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属のクリープ破断材平行部の析出量とクリープ破断時間(対数)との関係をLarson-Millerパラメータ(LMP)で整理すると、1次式で表すことができ、この式から16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量の予測が可能になった。
炉心プラズマ研究部
JAERI-Conf 2000-004, p.140 - 0, 2000/03
本報文集は、1999年10月12-14日に日本原子力研究所那珂研究所において開催された標記第6回会合の報文を収録した。この会合は、これまで「核融合研究における粒子」というタイトルで、キエフ(1989)、アスペナス(1991)、トリエステ(1993)、プリンストン(1995)、及びアビンドン(1997)で開催された会合に引き続くものである。今回の会合では、粒子物理、高速イオンの輸送現象、高速イオンによる核融合プラズマへの効果、高速イオンの集団現象などの高速イオン研究に加えて、新たにディスラプション時の逃走電子、及び高速粒子に関するプラズマ診断法を対象テーマとした。出席者は60人を上回り、27件の口頭発表(うち招待講演8件)と19件のポスター発表があった。この報文集は、これらの研究発表のうち37件の論文を収録した。
野村 俊文
保健物理, 35(1), p.127 - 135, 2000/03
高温工学試験研究炉(HTTR)の放射線管理モニタの設置にあたっては室内に漏洩する放射性ガス、ダストの監視に重点を置き、多数のサンプリング端を設けることとした。また、排気筒から放出するトリチウムの監視のために、膜分離型トリチウムモニタを設置して希ガスと分離した形で精度よく測定が行えるようにした。そのほか、音声型現場警報表示器を設置し過度の作業者の被ばくを防止するなどの工夫をしている。さらに、監視の強化と効率化をはかるために、放射線管理用の計算機システムを設置した。計算機システムは約20台のパソコンで構成したクライアントサーバシステムであり、OSにはウィンドウズNTを使用した。モニタ指示計のデータは10秒毎に収集し、原子炉建屋内各フロア及び放射線管理室等に設置したデータ表示用パソコンで監視画面等を表示できるようにした。また、AI開発ツールを使用した異常診断機能も設けた。
鍋島 邦彦; 鈴土 知明; 滝澤 寛*; 大野 富生*; 工藤 和彦*
Proceedings of International Topical Meeting on Nuclear Plant Instrumentation, Controls, and Human-Machine Interface Technologies (NPIC&HMIT 2000) (CD-ROM), 9 Pages, 2000/00
本研究では、リカレントニューラルネットワークとルールベースの実時間エキスパートシステムを用いて、原子力プラントの監視システムを開発した。高温ガス炉動特性解析コード及びオンラインPWRシミュレータを用いて、データ収録部及び運転員サポート画面を含めた全システムの性能評価を行った。その結果、リカレントニューラルネットワークは、異常徴候を早い段階で検知できることが示された。またエキスパートシステムもニューラルネットワーク出力や知識ベースを用いて正確に異常事象を診断することができた。